若い頃は何故か繊細で、手間のかかる、どちらかと言えば自分本位な男の人が好きでした。
意見の衝突、考え方の違い、嫉妬、束縛が彼の私に対する想いだと信じて、傷ついても、冷たくされても何故かそんな彼を嫌いになる事が出来ない女の子でした。辛い恋、恋焦がれる想いが強ければ強いほど、幸せが待っているような、そんな勘違い?もよくありました。特に19歳の秋に知り合った彼は、何と言っても我侭で、嫉妬深くて、自分がこれだけ君を大事にしているのだから、それを裏切るようなことは絶対に許さない。そして、勿論何が起きても僕は君を守る。と植え付けられ、男の人は皆そうなんだ…と、しばらくは疑問にも感じず思い込んでいたぐらいでした。 そして、いつも彼のそんな一方的で、強い愛?が一番女の人を幸せにするのだとも思い、そんな彼と一緒ならば、若い頃は貧乏でもいつかは豊かな生活ができるようになるだろうし、それを求めて努力し、生涯一緒に暮すのだとも思っていたものでした。
それが、少しずつ社会を知り、人を知り、自分が見えてくるようになってきたのと同時に、男の人との付き合い方も変わり、自分らしい生活、意見、感情を受け止めてくれる人、自分の生き方や考えを認めて引き出してくれる人が好きになるようになりました。つまり、“自分らしく生きていくこと”を優先的に考えるように変わったのでした。この間も、ある雑誌の結婚して変わったこと、考え方についてのインタビューを受けていて、いくつか気づかされたことがありました。それは私の中で、結婚している自分にとってとても強く気をつけていることや、守っている事が他の人とはかなり違うと指摘されたからでした。その一つはまず、他人と暮していることを常に忘れずに、何でも自分と同じ考え、価値観、目標を期待しすぎないこと、求めすぎないこと。そして自分自身、愚痴を言わず楽しく働く、暮すことを彼に見せる事、自分が結婚しても働く事を辞めずにいたいのであれば、女性が働く事を誇りに思える人を最初から選ぶ事。(結婚相手、一緒に暮す人としては。)またそのことについては結婚前だけではなく、結婚後も正直に話しあうこと。そしてそれがお互いに理解できない、納得できないのであれば、やはり何か方法を考えなくてはいけないし、それはもしかしたら彼との別れにつながってしまったとしても仕方が無いと覚悟を決め、とことん話し合うこと。そしてそれは働き方、未来、二人の将来も含めた内容であること。勿論、そういう行き違いは私にもたくさんあり、それは年令によっても違うし、その時の二人の状況にもよるので、そのたびに自分自身もキチンとした考え、生きる姿勢、こうなりたい、だから今はこうしていたいとかを、相手に伝えることをあきらめず、努力と時間を費やすべきだと思っています。
でもそのおかげで、私は家庭を持ってからも常に自分中心、自分の生き方を真中に見据えた生活を維持でき、それだから我侭に成るのではなく、逆に優しくなれる、バランス感の良い生活ができるような関係を作ろうとしています。結婚してから彼が変わった、嫌なところが見えてしまったという声はかなり聞くけれど、それは自分も彼を(相手を)思いやる気持ちがなくなったから、伝えることをあきらめてしまったから…、なのではないでしょうか。
家庭も、会社も元を正せば他人の集まり、コミュニケーションを疎かにしては上手くいくわけはありません。そして、自分の一方的な愛、想いをおしつけるのではなく、二人で育てていく、気持ちを大切にしていくこと。一生一度の人生です、悔いの無いように…人を愛したいし、愛されたいと願っています。
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