OLD midroom

30代で考えていたこと、2

こんな感じで、わがまま放題で働きだした30代はじめ。
お給料も人並み以上にもらい、いろいろな所では会社の知名度も上がり、むかうところ敵なしのような時期を過ごしはじめた私は、その頃はやりのキャリアウーマン気取りでした。
良いのか悪いのかは別として、本当に24時間仕事のことを中心に生活していましたし、常に仕事に役立つ物、場所、本、音楽といくら時間があってもたりない日々。ですから、もちろん家のことは一番最後になっていて、だんな様とのコミュニケーションもかなり少ない感じでした。(今頃、反省してもだめですね・・。)

自分は一人ではないのに一人で生きているような強気の感じで、毎日ぶりぶり、つっぱって生活していました。ただ、その頃から自分のスタイル(服装)には、なんだかとても不満を感じていました。それは、黒い服を着始めて、私は少しづつですが、おとなに近づいていっていた感じでいたのに、メルローズには自分に似合うものが、だんだん少なくなってきていると思い始めました。そして、いつのまにか着る機会が少なくなってきていました。これは私の仕事には、かなりのダメージ。
何故なら、プレスという仕事は、やはりその時の自社ブランドを着ていることは絶対ですし、またその着こなしが編集の方やスタイリストの方にも影響し、大事なPRになるからです。もちろん自社ブランドに対する熱意も半減して見られてしまいますし、それはとても良くないことだと感じていました。しかし、その事は私の気持ちの中で、ドンドン大きくなってしまい、毎日自分らしいスタイルで働けない、洋服というのはもっと楽しむ物なのに、全然楽しめないなど、気持ちまでもが後ろ向きな感じになって行ってしまいそうでした。よく考えてみれば、これは洋服だけのことではなく、仕事の仕方、考え方、これからのこと全てが迷っていた、迷いはじめていた時期だったのでしょう。こういう時期は本当に何を着ても似合わない、何をしても納得がいかないなど、だめだめ、いやいやづくしが大きな原因だったのです。

そんな頃、メルロ―ズでは10年近く働くと海外研修に2週間自分で組んで出かけることができる制度がありました。そこで私は、かねてから行きたかった、パリ一週間、ニューヨーク一週間に出かけました。のんびりした、文化の香りと古い歴史を感じられるパリ。そして街中が、新しいエネルギーに満ちていて、その両極端が一度に味わえてとても刺激的でした。どちらといえば、私の中では断然NYが好き、そしてそこで訪ねたバーニーズの虜になってしまいました。おとなの店、重厚で雰囲気があって、そこにいるだけでオシャレな気分になれる。今まで一度も感じたことのない素晴らしさ。こんな店で働きたいな~、日本にもこんなお店が出来ないのかな~と自分本位に考えていました。あの時のお店で味わった緊張感を思い出すと今でもワクワクします。

そしてこの思いは、今も私の仕事の原点になっていることは確実です。
そんな思いを胸にいつもの生活に戻りました。32歳の春だったと思います。
もちろん、その時は、日本にこのバーニーズが進出してくるとは思ってもいませんでしたし、まったく予想もしていませんでした。この後、自分がバーニーズ ジャパンで働くようになるなんて。

つづく

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