OLD midroom

20代で考えていたこと。3

20代で考えていたこと。2の続き。
そのころ私は結婚し働くことをしばらく中断しのんびり暮らすことを選びました。幸いにも彼はかなり年が上でしたので、しばらくは優雅でのんびりした時間を過ごすことが出来ました。

でも、やはり働きたい気持ちは抑えられずわずか3ヶ月も休まずに、私はまた新聞求人欄を見始めるようになりました。そして、そのころ一番好きだったし身近にあったブランドのメルローズで、販促係募集の記事を発見し、またまた履歴書を送ってしまいました。今度は前回よりも、ほんの少しですがやって来た事も話せましたし、自分が好きだからここで働きたいということも伝えられることが出来ました。会社の方もとても若くて元気で以前とまったく違う社風を感じで、うきうきしながら帰ったのを思いだします。

しかし、この面接は不合格に終りました。とても、ショックでしたが、しょうがないのでまた暇な奥様業に戻り、毎日を過ごしていました。それから1ヶ月、不合格だと思っていたメルローズから、「働きませんか」というお誘いがありました。前の方がすぐに辞めてしまわれたそうで、私のことを覚えていてくださった常務の方が声をかけてくださり、第二の社会人生活が始まりました。

この時のメルローズとの出会いで、私は初めて仕事ということをきちんと意識するようになったのです。なぜなら、自分の予想していた以上に毎日忙しくなり、また会社も恐ろしいほどの速さで大きくなり、初めて自分の人脈を持てるようになったからです。そのころの仕事に求められる速度は本当にすさまじい感じでした。また私の仕事もかなりの雑誌で取り上げられ、呼び名もアタッシュド・プレスという、海外で呼ばれているのと同じになり、ファッション業界では、デザイナー、スタイリストにつぐ人気職種(雑誌の中では)になりました。(私にはあまり関係ありませんでしたが)その頃の私はまたまた悩みをかかえてしまいました。

それは、いつもニコニコいい子、イエスマンでいることに対する、自分らしくないことの恐怖。出来ないと言えない自分。モデルでもないのにいつもきれいで可愛く自社のブランドを着ていなくてはいけない事に対する不満。それを求められていることに対する疑問。編集の方に気に入られたくさん雑誌に載ることだけで、自分が評価されるのは嫌だと、休みの日には疲れきって良く落ち込んでいたのを思い出します。自分の実力を、あまり良く分からないのにこんなに毎日が充実して仕事ができる事、それが時代や会社の力だと分からなかった20代後半の不安定な時期でした。

隣りの芝生が、何とやらではありませんが、まわりを見ては比較していたり、何だかもやもやした物があったりして何を着ても似合わない、何をしてもつまらない日々に感じていたのもそのころでした。毎日早く30代になって大人の仕事がしたい、大人に見られたいそんな事ばかり考えていました。そして、そのころからかなり大人っぽい服や、髪型にトライし始め、自社ブランドではない、ダナキャランの洋服を、20万円ぐらい出して買ったり、40万以上もするバックをかったり、身のほど知らずの恥ずかしい奴でした。そんな、外ばかりを大人に装っていたって、中身がなければどうにもならないのと、今なら分かりますがね。そんなことで、自分をごまかしていたのかもしれませんね。

※ コメントはすぐに反映されません。公開されるまでにお時間をいただきますのでご了承ください。

このページの上部へ

ARCHIVES