OLD midroom

30代で学んだこと。4

私は、25歳の時に、かなり年が離れた人と出会い、結婚をした。
自分のことも、まわりのこともまだ何も分からないその頃の私にとっては、その人との生活は、時にか父であったり、兄であったり、また仕事場での上司になったりととても都合の良いまた、居心地の良い生活だった。親元から、離れて暮らしたことがなく、しかも驚くほど厳しい門限に縛られていた私にとって、それはもう天国のような、自由で楽しい毎日だった。10年ぐらい経って、彼のやっていた事業が失敗するまでは・・・。本当に、贅沢三昧、わがままし放題で、でもおかげで楽しく、思う存分仕事と遊びに打ち込めた。

しかし、人生とは、甘いものではない、やはりどこかで試練というものが来るのだ。彼の事業は、まさしくその頃はやりの、バブルに巻き込まれて倒産し、おかげで気に入っていたマンションや車、その上、多額の負債まで抱えてしまった。今でこそ、こんな風に軽く言えるけれど、今までの人生の中でこんなにお金がない、またお金を気にして過ごしたことはなかった。そして、親の意見もあって離婚することとなり、ここから、また私の仕事と人生の出直しが始まった。

34歳。ファッション業界という、ある意味で見た目にこだわり、そのためには、お金がなくても派手なものを着たり、豪華な家に住んだり、いい車を運転したり、勘違いと言う点では、芸能界にも似たりよったり。
しかも、今までは、私も自分の収入よりもかなり背伸びをして、大人ぶっていたし、車も4台ぐらいは持っていたり、自分では払えないようなレストランにも通っていたり、ホテルや旅行もしたり、今思うと、恥ずかしい限り。でもそれが、すべてなくなった、出来なくなったというほうが正しい状態。そこで、私は、本当に気がついた。自分の生活は自分のお給料の中でやろうと。
もちろん今となっては当然のことなのだけれど。
それからは、それなりの家で、逆にいかに楽しく私らしく住むか、飾るか、を考えた。車も国産で壊れない物で、私らしい雰囲気が出せるのは、食事も自分のために作る楽しさを学ぼうと、いろいろ工夫した。

こんな事があった、30代があって今の私がある。別に、離婚したことを良かったとは決して言えないけれど、あれがなかったら、私は見栄っ張りで、外見ばかりの嫌な女性になっていたはず。

 あれから、丁度10年目の今年、大人になれたかどうかは分からないけれど、より前向きに、自分らしく生きていけたら嬉しいな。

※ コメントはすぐに反映されません。公開されるまでにお時間をいただきますのでご了承ください。

このページの上部へ

ARCHIVES