OLD midroom

海外で学ぶ、大人学

この仕事をするようになってから、海外に出かけるときが増え、イタリア、ニューヨーク、パリ、ロンドンで多分、自分と同世代の働く女性達を見ることが増えた。

色合わせや、着こなしのうまさに加えてトレンドを自分なりに消化し表現しているかっこよさは、やはりかなり学ぶことが多い。

自分の年齢より10歳以上も年を重ねていても、また10歳も若かったりしていても女である事を忘れていないその色気とその努力には頭が下がる事が多い。

そして、その都度、何が今の自分には欠けているのだろうかと考え、全身を鏡に写してみたりする。同じような黒のジャケットは着ているし、足が美しく見えるようなストレートなパンツもはいているし、トレンドのパンプスももちろん選んでいるのに何かが違っている、何かが。体の丸みなのか厚みなのか、髪の毛の色、瞳、肌の色、もちろんそれは全て違うけれど、仕事に対する姿勢や、前向きな考え方などは何も違っていないはずなのに。

そこで、私はハタと気がついたことがある。

それは姿勢、体のプロポーションを美しく意識した背筋の伸びた姿勢。

どんなに白髪であろうが、肌がシワぽかったり、シミがいっぱいあったりしてもこの姿勢の良さと歩き方のカッコ良さは負けてしまう。もともと、靴を一日中履いて生活している為なのか、ヒールに慣れていることなのか、わからないけれど、この凛とした美しさは私、そして私達日本人にはない。

膝から下が、まっすぐ伸びて前に蹴りだして歩く、腰の丸みをうまく利用したスカート、スーツ、パンツの着こなし。

すこぶるセクシーな身のこなし方、足の組み方、マニキュアの選び方とリング、時計などとのバランス等など、学ぶところは数え切れないほど多い。

同性同士で歩いている時の距離感なども微妙にカッコ良い。

二人で話し合ってから会っているわけではないだろうが、お互いの色のバランス、カジュアル度、フォーマル感も、とても計算されている。

たぶん、お互いを良く知っている事で、意識して楽しませながら会っているに違いない。

今日は、昼間のランチで会う。だから、こんなレストランに行って、こんなところでお茶を飲んで、そして○○エリアでウインドウショッピングをし、買い物をする。

そんな、大人の関係。男性が隣に歩いている時の歩き方、距離にもそれが表われている。

夫婦であろうが、恋人同士であろうが、彼への愛情と彼からの愛は腕の組み方、手のつなぎ方、肩に置かれた手など、二人だけの許し合える世界がとても自然に繰り広げられる。出逢ったときから、その日さようならを言うときまでのドラマが見え隠れする。そんな、大人な距離感を持った女の人に私はいつになったらなれるのだろうか。また、日本人は?

※ コメントはすぐに反映されません。公開されるまでにお時間をいただきますのでご了承ください。

このページの上部へ

ARCHIVES