親元を離れて初めて自分のために家を借りた場所が田園調布。
あの頃自由が丘に遊び仲間がいたこともあり、東横線に乗ることが多く、街並み、人の感じ、お店の雰囲気など、気持ちがよさそう？と探し、出会った場所でした。
駅前も静かで大きな家が並び、その合間を歩いて帰る道も気持ちよくてお気に入りでした。

また、夜な夜なよく飲んだり食べたり、友人と集まっていた自由が丘から、てくてく夜道を歩いて帰るあの坂道も、若かった私には大人になるための一歩のように思えて楽しくて、初めての一人暮らしは好奇心いっぱいだったことを思い出しました。
駅前の焼き鳥屋さんや、ケーキ屋さんにパン屋さん。
昔から地元に愛されていたに違いない果物屋さんにお花屋さん。
流行りの新しいお店や、しゃれたカフェは少なかったけれど、居心地の良い住みやすい場所でした。

あれからどのくらいの時間が流れたのでしょうか。
仕事では時々通ることはありましたが、最近何度か私用で田園調布に行くことがありました。
地下鉄が乗り入れたこともあり、駅は地下に入りその昔の駅や噴水は今では以前とは違う感じになっていましたが、あの頃感じた空気感やのんびりした雰囲気は、今でも何とも気持ちよく厳かにさえ感じました。

そしてすっかり開発され、昔はなかった、パン屋さん、スタバ、大きなスーパーなどずいぶん便利になったなーなんて周りをキョロキョロ。少しだけ足をのばして以前住んでいた家の方に向かって歩いてみると、今でも古いお屋敷や豪邸がたくさん並び、さすが田園調布と思うような街並みが目に飛び込んできます。
今みたいに仕事がバタバタしていなければ、この町にもう一度戻ってみるのもよいかもね、、なんて。

働き方、生活の仕方、友人、親との関係、家族と、あの頃とはずいぶんかわったけれど、初めて暮らしたこの町は素敵な思い出の一つ。
そして今の私を支えてくれていた一つであったことに間違いないと思いました。
初めて暮らした場所、田園調布。
あの頃とは違った意味で大事な場所、思い出の一つです。