いつも桜の咲く時期までは花粉症でパワーダウンの私ですが、やっと春の暖かい陽ざしを感じて元気になってきました。
そんな中、週末のお休みに『マックイーン:モードの反逆児』を観に行きました。
正直言って直接仕事につながるような映画はあまり観ないようにしているのですが、この日は普段しないことをしてみよう(笑)ということになり日比谷へ。
外からは派手で華やかに見えるファッション業界ですが、ものを作って世に出し売っていく道のりは険しく、それは私も十分わかっているつもりです。
商品が売れなければ社会への影響力もなく、デザイナーとして認めてもらえない、、、自分だけの独りよがり、マスターベーションになっている事例を嫌というほど見てきましたから。
コレクションを発表する裏側では、営業の方との対立や時にプレスの方からの酷評など乗り越えなくてはいけないことも少なからず。
作りたいものと売れるもの、好きなものと世間や人に受け入れられるものは同じではないので、ものを作り続けることは容易ではないと、デザイナーではない私でも察することができます。
周りの方々と話を重ねながら、自分を励まして気持ちを奮い立たせて前を向いて歩いていくしかないのだろう思います。
この映画は、デザイナーとして、一人のアーティストとして常に世の中に発信し続けることの大変さ、繊細な心を持ち続けたことで生まれる新しい発想、驚き、強さ、弱さ、そしてファッションをビジネスとして成功させるための苦難や葛藤が描かれています。
有名なメゾンを守り続けていくことへの重圧がマックイーンの日々の精神状態や生活、行動にどれほど影響を与えていたかが見て取れ、胸が詰まるような思いが込み上げてきて、終盤はハラハラしながら観ていました。
大きな仕事が決まってお金が手に入ると同時に苦悩する姿も、私が今まで関わったことのあるデザイナーの姿とも重なって、辛くなってきてしまうほど。
真摯に人と接する一方、いつも心や頭の中で何かに追いつめられ反発し、本当は何が作りたいのかを自問自答していたマックイーン。
諦めないこと、辞めないこと、彼だけにしかできない彼のスタイルを守りながら生きていくことは並大抵ではなかったはず、、、。
映画の終わるころには彼の作り出すスタイルを、ショーをもっと観たかったと思う自分がいました。
素敵に歳を重ね、優しくますますパワフルになった彼の作品も着てみたかったです。
早すぎた死に心から合掌。
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