私がいつもお世話になっているヘアメイクのI君はこの数年、ガンと闘っています。
彼がその病魔に侵されていることに気づいたのは、私と一緒に毎月HERSの撮影で忙しくしていた頃。
私たちには本当のことは何も言わず、『大丈夫だから』と大変な手術に向かっていったことを思い出します。
そして、お見舞いに伺った時も、いつもと変わらず『こんなに切られてしまいましたよ』なんて笑顔で手術の痕を見せてくれたりして、、、精神力の強さ、人として強さに驚いたものでした。

あれから、何年たったでしょうか。
抗ガン剤やガンによいといわれるあらゆるものを試す日々を過ごしながら、今もガンと向き合っています。
そして、『またちょっと病院に行ってきます』なんて言いながら、検査や様々な治療を繰り返しし、翌日からはいつもと同じように笑顔でサロンに立ったり、ファッションショーやイベントのヘアメイクの仕事で地方へも出かけています。
その姿は、いつも何事もなかったように、笑顔。
何でそんなに強いの？　と聞いてもいつも笑顔。無理しないでよと言うと、いつも『大丈夫ですよ』と笑顔。

そんな彼が、１１月は大きな手術を受けると話してくれました。
難しい場所にあるガンをとってくれるというドクターを信じてやることにしたそうです。
こんな大変な話をするときだってやっぱりいつもの笑顔で、『仕方ありませんよ』と臆せず語ります。

私ができることがあったらいつでも言ってねなんて言ってはみるものの、実は何もできないこと、できていないことを感じて悲しくなります。
ただ、彼が入院する前、体調のいいとき、そして退院してきたときにはいつも、仲良しの仲間で彼の大好きなお寿司屋さんでご飯会をしています。
それがこの数年のお約束。
先週はそんな彼を励ます会を開催しました。
無事に退院して、またみんなでお祝いのお寿司の会をしましょうね。
今は、祈る気持ちでいっぱいです。
そして、こうして健康で過ごせしていること、元気に生きていることの意味を改めて考える私がいます。

I君、頑張って！
元気になって戻ってきてね。