今からちょうど１０年ほど前、いくつかの出版社が５０代以上をターゲットにした雑誌を創刊しました。
大人の女性のためを謳った新しいコンセプトの媒体は、時代とマッチしていろいろなところから注目され、年齢を重ねることは楽しいこと、ファッションもビューティもエイジレス、今までとは全く違った新しい世代感がすごく新鮮でした。
私もちょうどその世代の真っただ中なこともあり、いくつかの雑誌をお手伝いするように。

特に光文社のＨＥＲＳは、５年前、まだ雑誌で通販ページをやっているところが少なかったころ、ハーズ グリーン レーベル"として、ディレクション、スタイリングを手掛けさせていただくこととなり、途中からはモデルとしても活躍（？）し、　リアルに実践できる誌面づくり、商品選びに大奮闘の日々が始まりました。
誌面でモノを売ったことのないブランドやメーカーを訪ねては必死に説明するのですが、『本当に売れるんですか？』と疑心暗鬼の方が大半。そのたびに撃沈させられました、、、。
せっかくお付き合いいただけるようになっても、いざ掲載してみたら売れ行き不振なケースもあり、そうかと思えばあっという間に完売！　追加発注！ということも。
毎月、一喜一憂する日々が５年間続きました。

撮影前には必ず美容院、ネイルサロン、エステに行って、自分が納得できる状態で臨むように心掛け、私なりにいつも勝負してきました。そう、真摯に、真剣に、、、。
マンネリ化しないように、太ったり痩せたりすることもなく、いつも自分らしい雰囲気には気を配り、厳しい読者の方から見ても気持ち悪い(笑)と思われないように、、、５年間はまさに切磋琢磨の日々でした。
リアルなコーディネートを目指すがゆえに、洋服や靴、バッグを買う時はいつも、頭の隅では『これ、誌面で使えるかな？』と考えている自分がいたりして、なんだか自分の生活＝ＨＥＲＳの誌面づくり、といっても過言ではないような５年間。

そんな私も今年は５０代最後の年。ＨＥＲＳのリアルな読者ターゲットの枠からは卒業です。
移り変わりの早いファッションの仕事の中で、ここまで長い期間ひとつの雑誌をお手伝いさせていただけたこと、今となれば本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
イベントや街で『いつも見てますよ』『参考にさせてもらってます』と声をかけてくださった読者の方々には、いつも勇気をいただきました！
やったことのない仕事、お目にかかったことのない方々との出会いはいつもドキドキハラハラそしてワクワクの連続で、勉強のなることばかりでもありました。
そして常に傍で私を支えてくださった多くの皆さま(仲間)には、なんとお礼を言ったらよいのかわかりません。
いつも素敵な方々とやりたいこと、やったことがないことにも挑戦できた、本当に嬉しい5年間。
最後の撮影も無事に終え、卒業です。

ありがとうございました。