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久しぶりにドキドキしました

早く大人の女性になりたいと、パンプスを履いたり、赤いリップを塗っていた30代。今とは違い、シンプルなものというよりはブランドものなど背伸びをした価格帯のファッションに身を包み闊歩していました。
その頃はお休みというと必ず映画館に行き、スクリーンのなかの主人公に恋をしたり、素敵な女性の真似をしては自分探しをしていた私。
おしゃれのヒントや恋人との会話など、情報源の多くは映画やファッション雑誌で、隅から隅までくまなく読んだり観たりして、早く格好いい大人の女性になりた~いと心のなかで叫んでいました。

そんな頃に観て心が揺れたのが、カトリーヌ・ドヌーブ主演の映画『インドシナ』。
彼女の意思のあるスタイリングや表情はあまりに知的で、自分では大人になったつもりの私でしたが、『今の学び方や生き方では、あんなふうにステキな大人の女性にはなれないわ、、、』と悲観的になったほどでした。

彼女の役柄である、自分の意思を通す、自立した生き方、人との関わり方は、それ以来いつも自分に問いかけ、気を付けている私なりの人としての原点。
また、シンプルな洋服のコーディネートやきれいな色をさらりと着こなしている彼女の美しさは潔くもあり本当に素敵で、いつかあんなふうに雰囲気を持った大人の女性になりたいと真剣に思ったものです。

あれから20年以上が過ぎ、久しぶりにテレビ放映で『インドシナ』を見ました。
エキゾチックな風景のなかで、キリリと髪をまとめ真っ直ぐに前を見つめる彼女の美しさと強さは、すっかり大人になった私に再び問いかけます。
『あなたこの20年で本当に大人になったの?』
『中身は? 心は? 成長したの?』と、、、。
ドキドキし、改めて自問自答するきっかけをくれた2時間でした。

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